2021-01-01から1年間の記事一覧
「………」誰だ?誰かが…。「……ブル」この声は…。「エイブル」フィンツ…?「聞いているのかい?」「ごめん、少し考え事してた」「はぁー…。参謀なんだから、しっかりしてよ」ここは?ああ、僕は【未来へ繋ぐ者達《テスタメント》】の基地にいたのか。何か長い夢…
踏みつけられていた重みが消えた。死んだ。そう思った。だが違う。ヘレスの体が浮き上がっていたのだ。何者かの蹴りがヘレスの脇腹を蹴りあげていた。「ぐふっ!?」ヘレス自身も驚いていた。痛みを感じたのだ。血を吐く程の衝撃が、全身を駆け巡った。地面…
「急ぎ負傷者を!」「こっちだ!瓦礫に人が埋まっているぞ!」「シルワさん達は!?」爆風から生き延びたアルバ王国騎士団の騎士や兵士達は、人々の救助にあたっていた。しかし、統率者が居ない状態で行動が続き、パニックに陥っていた。「一体…何がどうなっ…
剣と剣の激しいぶつかり合い。激戦が繰り広げられていた。アルバ王国騎士団、カラ。そして、【|黒不死鳥《ハルファス》】幹部、プティーである。互いに様子を探りながら、剣を交えているが、油断は出来ない。「ただの襲撃者ではないようだな」「わたしもび…
「へぇ。案外、やるものですね?」爆発から生き延びた、テティ。襲撃者であるソルフと、激戦を繰り広げていた。「はぁ…はぁ…」テティは、息を上げながらも、ソルフに対峙していた。槍を構え、攻撃を仕掛けようとしているが、いくらやっても、攻撃はいなされ…
アルドが見守る中、シルワ、ライゼ、サイシンの3人とトレートルの戦いの火蓋が切って落とされた。「行っくよ〜2人とも!」シルワの合図でライゼは、シルワの真横に立ち、サイシンは2人の後ろへと立つ。トレートルは、首の骨をコキリと鳴らして、ゆっくりと3…
アルバ王国ーー。「大丈夫か…?」アルドは瓦礫を退かし、庇ったイルに視線を向ける。額から血を流して気絶しているようだが、息はしている。周囲を見渡すと、廃墟と化した街並みが広がっていた。「一体…誰がこんな事を…」すると、アルドは空に気配を感じ、目…
(ゼバン筆頭騎士と言えど、アタシの能力の前では無力♪もしかしたら、他の幹部よりも強かったりして)バイは、ふふっと笑みを零す。自身の力に酔い知れていた。それもそのはず、今では大国ゼバンとなっているが、小国であった時、筆頭騎士と聞けば、知る人ぞ知…
反乱軍の戦力は3万。それに比べて、ゼバンの戦力は、2万。数では武が悪い。だが、俺達は命を賭して戦った。「いけえええええ!!」仲間が次々と倒れ、とうとう…、ゼバン城まで追い込まれてしまった。「陛下を護れ!!」仲間がレスト王を護り抜いて、死闘を繰り広…
ーー孤児院。「さぁ!ストリアが来たわよ!!」決めポーズを披露すると、孤児院にいる子供達は鼻で笑う。ストリアは、勢いとノリで行動する。そのせいか、子供達には、全くと言っていいほどウケない。だけど、子供達は孤児院を設立した、ストリアに対しては感…
14年前。まだ、ゼバンが大国と呼ばれる前に遡る。「我が国の【英雄】である、ルッカの穴を貴様に埋めてもらう。良いな?」俺は、大臣から、そう命じられた。「はっ。命に変えても使命を全う致します」ルッカは俺と同じ孤児院で育った親友であり、良きライバルだ…
アルバ王国近郊ーー。「皆…無事か…?」アルバ王国の近郊までやって来ていた、ナルゼ達は、爆風の衝撃を受け、地面に転んでいた。ナルゼは、フリーデンを抱きながら、爆風の盾となった。護衛であるアルバ王国騎士も、ふらふらとした様子で立ち上がる。状況を把…
「ハァッ!!」ゴウガから繰り出される拳は、ヨルカの全身を強打。体がふわりと浮き上がっても、容赦なく追い討ちを仕掛ける。繰り出された猛撃を浴びた。地面に転がり、ゴウガは呼吸を整える。普通なら、とっくに死んでいてもおかしくはない。それなのに、…
アルバ王国、南東に位置する林において。「やっぱし、外れないか」ホープの従者は、フィルゼン達が出立後、アルバ王国へと訪れていた。今は、エイブルに装着された鎧を外そうと試みている。従者の体内に眠る膨大な魔力をコントロール出来なければ外せない特別…
【|未来へ繋ぐ者達《テスタメント》】秘密基地へ轟音とともに再び地響きが発生する。エイブルは、部下達へと伝達する。「至急、部隊をアルバ王国へ向かわせるんだ!」「はっ!!」部下達は、アルバ王国へと経つ準備を始める。「ヨルカは!?」「それが…先程から…」…
【武装国家ベスル】の護衛は、帰郷途中、襲撃を受け、交戦状態に陥っていた。「がはっ!」護衛の一人が血飛沫と共に、地面に倒れ込む。「ほう。精鋭の兵士を、意図も容易く倒すとは驚きだ」残った護衛が、襲撃者に対して、関心の目を向ける。「笑わせんなよ!俺に…
【未来へ繋ぐ者達《テスタメント》】基地内では、混乱が生じていた。「どういう事だ、エイブル!」騒ぎを聞き付けた【大陸最強】ホープは、頭を悩ませているエイブルへ確認する。「分からない…。僕達の仲間が次々と襲われている。それに、【|未来へ繋ぐ者達《…
フィルゼンが、ナルゼと出会う一年くらい前の事だった。フィルゼンには、親友と呼べるたった一人の友達がいた。「じゃじゃーん!今日はご馳走!」「ご馳走?」フィルゼンが、ゴクリと喉を鳴らす。「食べかけのハンバーガー!」金髪の少女、ネイはゴミ捨て場にあっ…
ーー【フォレスト・ガーデン】。青々しく広がる森林には、あらゆる部族が精霊達が共存している。そこへ、紫の髪色に赤き角を生やした少年が設置されているルーラストーンを眺めていた。「誰でも簡単に転移出来る装置ですか…。これだから人間は…」軽く溜め息を…
ーー大国ゼバン城。メイド服姿の女は、キョロキョロと誰かを捜している素振りを見せる。すると、目の前にヘルムを被った騎士が、姿を現した。「うわ!?びっくりしたっすよ。どこに行ってたんすか?」メイドが、騎士に尋ねると、小首を傾げる。「アヴニール。時…
大国ゼバン近郊。「アルバ王国ですか。中々、面白そうな人達でしたね」フォレがクスクスっとと笑みを零すと、2人の側近従者は物珍しそうな表情を浮かべた。「族長が笑うって、マジか?」側近従者のプクリポ、リバ。「自分は久し振りに見たかも…」側近従者のドワー…
アルバ王国への帰路。王女であるフリーデン達を乗せた馬車は、進む足を止める。同乗していたフィルゼンは、眠りに付いているフリーデンを横目に、馬車から降りた。「何者だ!我らはアルバ王国王女フリーデン様の護衛と知っての事か!」「どうしたの?」フィルゼ…
【未来へ繋ぐ者達《テスタメント》】研究室。エイブルは、会議室から誰も居なくなったのを確認し、本棚を操作すると、隠し扉が開く。ホープでさえ、知らない隠し部屋である。「テューリ。居るかい?」沈黙の後、エイブルは山積みになった本の山を見つめる。そ…
???「さて…、僕達の組織である【未来へ繋ぐ者達《テスタメント》】も、中々の大所帯になった訳だけど…」ホープ達の率いる組織である、【未来へ繋ぐ者達《テスタメント》】は、今や大国ゼバンを凌ぐ程の組織となった。仲間達も増え、エイブルは副官として、…
「【あの話】って?」プティーがパールスに尋ねる。「ああ。元帥に昇進させろと、うるさくてな」「何それ。大きく出たねー。まっ、楽しみにしとくよ」「さて、アルバ王国には、トレートル、ヘレス、プティーの3人で向かえ。王女と【不死鳥】は生きたまま捕らえろ。…
「おいおい…招集っつーからよ。来てみりゃ、半分ってどういう事だよ?」プルルスは目を疑った。【黒不死鳥|《ハルファス》】幹部が、集まったのは、10人のうち、4人しかいないからだ。「色々あるから、仕方ないだろうさ〜」プティーは、クスリと笑みを浮かべる…
北西部、カラザ小国。かつて、アルバ王国を支えた小国であり、各国からは、連携の高さから繰り広げられる防御陣形は崩せぬと一目置かれているのだが。「おい…相手一人に何をやっている!」カラザ軍の兵士長が怒号を張り上げると、剣を振るっていた兵士達が恐れ…
「イル。もしかして…魔力を感知出来るのか?」「え…?出来ますけど…」アルドは、思わず驚いてしまう。魔力を感知する存在が目の前にいる。ここまで、驚くのには理由がある。戦闘時に魔力を全身に漲らせれば、誰だって魔力を肌で感じる事が出来るが、イルの場合、…
「アルドさんアルドさん!」新兵のイルが近付いて来る。「どうした?」「これを何処に置けばいいですか!?」木箱を3箱重ねて持ってきたが、足元がふらついている。「おい、あんまし無理すん…」「わわっ!?」ドシーン。と、木箱と共に転んでしまった。アルドは思わず…
アルバ王国にて。【アルバ王国騎士団】、カラは兵士達の士気を高め、着々と兵器を整えていた。「お疲れ様です。カラさん」アルドが声を掛けると、カラは少し肩を竦める。「戦争でも始める気か?」大砲や兵士達の完全武装。そう思わざるを得ない。「出立前にナルゼ…