2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第二章~EPISODE3【定例会】

【定例会】が始まると、護衛の者達同士が張り詰めた空気になる。嘗められる訳にはいかないのだ。他の国々が説明を始める中、護衛同士既にいがみ合っている。大国ゼバン。アルバ王国。武装国家ベスル。だった。大国ゼバン、武装国家ベスルは、アルバ王国との…

第二章~EPISODE2【信じる】

街でフィルゼンが歩いていると、人々は羨望の眼差しを向ける。「おー、フィルゼン団長。浮かない顔して、らしくないぞ!ガハハ!」商人は浮かない顔していたフィルゼンを見て、笑い飛ばす。「ほれ!これ持ってけ!」リンゴを逃げ渡される。「…ありがとう」シャリっ…

第二章~EPISODE1【平和】

月日は流れ、世界は平和な道を歩む。そんな中。「くー…くー…」土手に寝そべりながら、眠りこける赤髪の女騎士。何の夢を見ているのかは、女騎士にしか分からないだろうが、もし、魔物が接近して来ても気付かないほど、眠りは深い。「フィルゼン団長。ここに居ま…

第二章~【滅びへの序曲】~開幕!

ある者は、希望を。ある者は、世界を。ある者は、全てを。平和な世界を歩む、アルバ王国には、新たなる騎士団が結成される。その名も、【不死鳥の騎士団】。世界に差し迫る、魔の手に立ち向かう。フィルゼンに待ち受ける宿命とはーー世界に差し迫る、魔の手…

EPISODE17、【変革】

「がは…!こんな奴らに…俺の【計画】が…」狩る者は力無く地面に倒れ、立ちはだかる大国ゼバンの軍勢を睨み付ける。「やっと倒れたか…」大国ゼバンの騎士達は、冷や汗を拭う。軍勢1万に対し、数時間にも渡る激戦。1人を仕留めるのに手を焼いた。「くそぉ……」狩る者…

EPISODE16、【未来へ】

ホープは感傷に浸っていると、扉が勢いよく開いた。兵士が何やら騒いでいる。「どこの所属だ?」「うるさいな…どけっ!」ピリッと空気が振動すると、兵士達は後ずさりながら道を開ける。落ち込んでいたホープの前に、赤髪の少女が現れる。すると、いきなり胸ぐら…

EPISODE15、【大陸最強】

ファルド王国避難区画において、【大陸最強】の異名を持つホープは、見る形もなく、衰弱しているようだった。私は弱い…。親友のフィンツさえ護れなかった。第一…、誰が【大陸最強】なんて言い出したんだ。確かに、私は強かった。でも私だけの強さじゃない。…

EPISODE14、【正体?】

大国ゼバンにおいて。「会議は…まだ終わらないのか」【遠征騎士団】団長、ナルぜは深い溜め息を零してしまう。一刻も早く戦線へ復帰したいのだが、大国ゼバンの命により、会議の護衛を任され、配転して来たのだ。「少し、風に当たって来る…」ナルぜは気持ちを落…

EPISODE13、【託された思い】

「こんなに強いなんて…」黒の鎧を身に着ける騎士が、虫の息で【遠征騎士】のカラを睨んでいた。騎士達との戦闘を終えたカラは、虫の息である騎士の胸ぐらを掴む。「言え。貴様らは何者だ?」「それは言えない…」「なら…吐かせるまで」すると、騎士は舌を噛み切り、自…

EPISODE12、【覚醒の予兆】

「………………」私を護る…ため?そんな馬鹿な事って…。何でそんなに…気にかけるのさ…。本当に馬鹿みたい…。私は二度と大切な人を作らないと決めた。なのに…こいつは…私を…。大切な人を作れば、思い出が自身を蝕む。失う事が辛いから…二度とあんな思いをしたくないか…

EPISODE11、【妹】

俺にはルイスという妹がいたんだ。たった一人の家族だった。「聞いてるの?」「あ、ああ。何の話だっけ、ルイス」「もう!じゃあ知らないッ」ルイスは、そっぽを向く。 両親を早くに亡くした俺の唯一の家族であり、血を分けた妹だ。「弱ったな…。今度、好きな物買っ…

EPISODE10、【なぜ?】

「ハァッ!」フィルゼンが剣で斬り付けると、騎士は受け流して、テティの繰り出していた槍を紙一重でかわしてみせた。互いに距離を取る。「3人の中で1番腕が立つようだね」フィルゼンは、剣を握り直すと、騎士は腹を立てながら剣を振りかざす。「貴様らガキどもに…

EPISODE9、【蠢く影】

「フィルゼン気を付けて!だだのギガンテスじゃない!」テティは対峙すると、禍々しいオーラを放つギガンテスに体を震わせる。武者震いか恐れか。「テティ。足引っ張らないでね」フィルゼンは剣を握り締め構える。「言ってくれるじゃん!」ギガンテスは、棍棒を叩…

EPISODE8、【作戦開始】

再び、魔物の軍勢が姿を現すと、前線部隊は、右翼側、中央側、左翼側に展開し、それぞれが攻撃地点へと魔物を引き寄せていた。遠距離攻撃を仕掛けながら、中央側、左翼側は魔物を引き付けてはいるものの、右翼側は魔物の軍勢に運悪く退路を断たれてしまった…

EPISODE7、【馬鹿じゃないの?】

ーー防衛戦待機所「はぁはぁ…」兵士達は疲弊しながらも、魔物の軍勢の出現に備える。「誰か…手を貸してくれ」待機所には、先の戦いでの負傷兵達が担ぎ込まれる。腕を無くした者、出血の激しい者。凄惨なものだった。【遠征騎士団】が各地で防衛戦を繰り広げてい…